こういう人間です
盛岡市在住。ライター。
性格偏屈。趣味はないが嫌いなものはない。 20年余りの都会暮らし、 10年余りの山暮らしを 経て現在6年目のニュー タウン暮らし。 いまいるところがいつも いちばん好きなところ。 メールはこちらへどうぞ 以前の記事
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きょうは嬉しい一日だった。 桜のころに突き上げた妄想、水の上を目線低く漂ってみたいという願いが、 ついに叶った。 万事、念ずれば通じるというのがぼくの信念なのである。 憧れのカヤックに乗れた! いまの自分にどんな材料があるのか、まずそれを検討する。 カネはない。時間はつくれば何とかなる。 あとは人。 一人思い出した。Sさんだ。 長瀞でカヤックのスクール・インストラクターをやっていた人で、 いま盛岡近辺に住んでいる。もう一年半ほど連絡もしてないが、とにかく電話してみた。 「29日はちょうど休みだから、御所湖でやりましょう」 御所湖にはレンタルのカヤックがおいてあって、 あんまり教えたくないけど4時間借りて240円。 子どもは半額の120円。パドルとライフジャケットもセットになっている。 これは信じられない情報で、「お願いします!」。 そしてきょうが29日。 風もなく、暖かで、言うことなしの天気になった。 わが家が一家4人。これに上の子の友だちが加わって五人。 まず、レンタルのカヤックを「うま」に並べた。 「うま」は折りたたみの椅子のことで、2台置いてその上にカヤックを乗せる。そういえば、祭のみこしを乗せる台も「うま」だった。プラスチックのカヤックは一人で簡単に担げる。でも意外に細身で、大きなオモチャのようだ。 Sさんの指導で、まずパドルの持ち方、使い方を陸の上で習う。ライフジャケットの付け方も習う。 下の子はパドルの使い方を説明されても頭がこんがらがってしまうようで、Sさんも、 「まあ、実際にこげばわかるでしょう」と諦める。 上の子たちは入れ込んでいる。早く乗りたくてしょうがない。 それはぼくも同じで、11時半にカヤックを倉庫から出したのだけど、 「昼飯前にとにかくいっぺん乗ってみましょう」ということになった。 準備体操して、ライフジャケット締めて、いよいよ乗艇だ。 水に浮かべると頼りない。いきなり片足乗せようとしてもそうはいかない。 Sさんが一人ずつ、パドルをコックピットの後ろに固定させてカヤックを揺れないようにし、 それから重心低く乗り込むコツを教えてくれる。 乗ってみると、ゆらゆらと揺れるけどその揺れがごく自然な感じで不安にはならない。 ソロリ、ソロリと教わった通りにパドルを動かして漕いでみた。 すごく楽しい。手を横に伸ばしただけで水に触れる。アヒルになった気分だ。 泳げないから最初は怖がっていた下の子も、ゆっくりパドルを動かしてなんとか 岸から離れてきた。いつもそうだが、怖がるくせに真っ先にコツを飲み込むのが下の子だ。たちまち上手くなって、まるでミズスマシみたいに湖面を滑っていく。 上の子はすっかりハイになった。キャアキャアと大騒ぎしながら漕いでいる。 ときどきSさんが「ウワッ」と声を上げる。どうしたかなと思うと、上の子がカヤックをほとんど 倒れそうに傾けて、それでも倒れずに漕いでいる。うまいもんだ。 ぼくもパドルの使い方はどうにか覚えた。カヤックは思った方向に進んでくれる。 こんなに風のない日は珍しいのだそうで、しかも気温はぐんぐん上がっている。 カヤックの印象はとにかく「身軽だなあ」ということ。水面を見つめて漕いでいるときは それほど感じないが、湖畔を眺めると結構、スピードが上がっているのがわかる。 漕ぐのに飽きたらパドルを置いてユラユラ漂う。 この感じは、ボートとはまったく違う。 水の上に直接座っているような気分だ。とろりとした湖面に座っていると、ビールが飲みたくなる。 ときどき10センチぐらいの魚がカヤックに近寄ったり、底にコツンとぶつかる魚もいる。 なんだか嬉しくてたまらない。 手を入れると水は温い。カヤック置き場のボードには、朝9時の気温15度、水温16度と書いてあったことを思い出す。 カヤックは案外濡れるもので、下手なせいなのか、パドルから滴る水がズボンを濡らす。 「まあ、着替えも持ってきてるから、ひっくり返ってもどうってことないな」と思う。 でもカメラは水没させたくない。 いったん陸に上がって昼食。缶ビール1本半飲んで、休む間もなく子どもたちと カヤックを浮かべる。もうだいぶ慣れてきた。 下の子はいつのまに覚えたのか、Sさんに言わせると「体重移動までできてる」。 カヤックを思い切り傾けてもパドルを休めないから、グングン進めるようになった。 「探検だ」とか言って、樹木の生い茂る入り江に突っ込んではバックで戻ってくる。 上の子もかみさんも、それぞれ思い思いに湖面を滑っている。Sさんも最初のころは 「バラバラにならないで固まって」と指示していたけど、子どもたち見て安心したのか 好きに漕がせてくれた。 ぼくは準備体操のときから四十肩じゃない五十肩で腕が上がらなかったけど、 パドルを握ったらそうでもなかった。疲れたら休めばいいんだから、 無理しない。ビールの酔いもあって、だんだん眠くなってきた。 カヤックの上で昼寝できたら、たぶんハンモックより気持ちいいだろうな。 3時までたっぷり乗って、 さあ上がろうということになった。最初はおっかなびっくりだったカヤックの乗り降りも 落ち着いできるようになった。Sさんにはお礼の言葉もない。 「では、飛び込みやろう」 カヤックを上げてから、Sさんは子どもたちを挑発。 水に慣れるのがいちばん大事だから、これはSさんのコーチ法なのだろう。 「せーの」と声かけたとき、「ちょっと待って」とぼくはカメラ構えた。 「せーの」 ドボン! 安物のデジカメはシャッター遅れて水しぶきだけ映ってた。 楽しかったなあ。 天気のいい日を選んでまた来よう。
by northend
| 2005-05-29 22:22
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