こういう人間です
盛岡市在住。ライター。
性格偏屈。趣味はないが嫌いなものはない。 20年余りの都会暮らし、 10年余りの山暮らしを 経て現在6年目のニュー タウン暮らし。 いまいるところがいつも いちばん好きなところ。 メールはこちらへどうぞ 以前の記事
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台所の窓から姫神山が見える。 家の近所のどこからでも見える。 スッキリしてていい山なんだけど、いつかそのうちと思っているだけで なかなか登る気になれなかった。あんまり近すぎるから。 そしたら上の子が「登りたい」と突然、言い出した。 クラスの子はたいてい登っていて、 「高くないけど面白いしきれいだ」と聞いたらしい。 じゃあ登ろうか。今年はさっぱり山も歩いていない。 かみさんは祝日なのに仕事が入っていたから、 男ばかり3人で出かけた。 近ごろ、山に関しては下の子が圧倒的に強い。 ペンギンのような体つきなのに、 ひょいひょい登って息も切らさない。 上の子は好不調の波が激しい。 好調のときはさっさと登って、 遅れているぼくにしびれを切らして降りてくるぐらいだ。 不調のときは要するに腹が減っているだけで、 おやつ代わりに御握り食べると元気になる。 だからかみさんは御握り15個作った。 「暗いうちから二回も電気釜炊いた」とため息ついてた。 その御握りの入ったビニール袋を見て、 なんだか山登りというより御握り食い競争に行くみたいだなと思った。 一本杉の駐車場に着いたのが8時半ごろか。 人気のある山らしくて、他県ナンバーの車もたくさん停まっていた。 子どもたちはふざけながら、おしゃべりしながら登り、 グループ連れ追い越し、降りてくる人には「ボク、元気だね」とか 「何年生?」と聞かれ、おじいちゃんには「おれの孫と同じ小学校だ」とか言われ、 おばちゃんグループからは「おじいちゃんと山登りなんだ、偉いねえ!」とか言われ、 慣れているから否定もせず、ぼくも慣れているからニコニコしているけど、 「こらおまえたち。おじいちゃんじゃない、お父さんだって言えよなあ・・・」と弱気。 だいたい「孫と同じ小学校だ」といったおじいちゃんは、ぼくのことを 「うちの孫は山なんか嫌がるけど、おたくの孫は偉いなあ」と言いたげだった。 じゃあ、わたしとあなたは同年輩かと言い返したくなったけど、 相手はべつに何も言ってないのだからぼくもニコニコ。 姫神山の頂上は風あって冷たかった。 御握り食えば幸せな子どもは風なんか関係ない。 ほとんど家の続きで、大岩に寝転がって嬉しそうだ。 寝転がっても御握り食べている。 ぼくは相手にしないで愛用のスケットルに詰めた日本酒飲む。 玉子焼きとウインナがおつまみ。 でも御握りがみるみる減っていくので慌てて一個食べる。 下りも早い。どんどん降りて、駐車場間近のころに何かの放送曲が流れたけど、 後で聞いたら12時のチャイムだった。 下りのコースでもすれ違うグループに「偉いねえ」と言われた下の子は、 用もないのにぼくを「お父さん」と呼ぶ。 するとおばちゃんグループは後の言葉を飲み込んで驚いたような顔をする。 こらこら、そんな驚いた顔するな、ニコニコ笑えば済むことじゃないかと 思いつつ、穏やかに挨拶を返す。 駐車場に着いて、 時間早かったら温泉でもつかろうと思ってたのに、 なんと、車のバッテリーが上がってた。 家を出るときにすごい霧だったのでスモールつけて、 ついそのままにしたんだ。 登山の道中で何度も顔を合わせた男性二人組がブースターつないでくれたけどダメ。 最後の手段でJAF。 スキーシーズンに何かあったら困ると思ってJAFに入ってた。 二人組に携帯まで借りて連絡。 「ずっと元気な子どもたちだなあって思ってたんです。 ぼくの子なんかもう、誘っても遊んでくれない」 二人組の男性はそう言って羨ましそう。 同世代かな。 この人たちはとてもいい人だ。 40分待ったら盛岡の町からJAFが来てくれてすぐにエンジン始動させてくれた。 サービスマンが神様に見えた。 さらに嬉しかったのはこのサービスマン氏が子どもたちに言ってくれた言葉。 「いいなあ、お父さんと山登りしてきたんだ」 ぼく、JAFが好きになった。 「今日は無料ですよ。2年分の会費が浮きましたよ」 そうか。 最後で不運だと思ったけど、最後で幸運だったんだ。 このこと教訓に、お父さんとしてはバッテリーへたらせないようにしないと。
by northend
| 2005-11-03 21:45
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