こういう人間です
盛岡市在住。ライター。
性格偏屈。趣味はないが嫌いなものはない。 20年余りの都会暮らし、 10年余りの山暮らしを 経て現在6年目のニュー タウン暮らし。 いまいるところがいつも いちばん好きなところ。 メールはこちらへどうぞ 以前の記事
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とつくづく感心したのが昨日の町内バス旅行だった。 コースはニュータウンの公園を出発して九戸インターで高速を降り、 緑濃い峠を越えると久慈渓流沿いを走って海。 そこで水族館を見学してお昼を食べて、 こんどは琥珀博物館を見学して平庭、葛巻と通ってニュータウン。 入館料、昼食代込みで大人は2500円。飲みもの、おやつ付き。安い! ぼくの町内バス旅行の事前イメージは、乗ればさっそく巨大クーラーバックから 缶ビール、日本酒、割きイカのおつまみなんかが出て、カラオケが始まり、 「いやだいやだ」と言いながらぼくもつい2,3曲歌う、というパターンだったが、 予想はまったく外れた。なにせニュータウンの年寄りはもと教員とか公務員が 多いから真面目なんだ。出されたのは冷たい日本茶のペットボトルだった。 じゃあ、昼飯はきっと海辺の大食堂だから、座敷にあがって大皿にカツオやホヤ、 生うに、生ワカメ、当然日本酒が一人1本ずつで、女性は遠慮するからその分も 飲めば一人3本か、と考えたらこれもあてが外れてダーレもお酒なんか飲まない。 ぼくはどう見ても最年少の参加者(バカだったと最初は激しく悔いた・・)だから あんまり集団の秩序は乱したくないなと思ったけど、家がはす向かいのMさんに 「ビールでも飲みませんか」と声をかけたら「うん、生がいいな」と応じてくれた ので二人で中ジョッキで乾杯できて幸せでした。 しかしこのバス旅行はとても勉強になった。 バスガイドさんの話がじつに面白かったからだ。 ニュータウンには県内あちこちの出身者が集まっている。 沿岸もいれば県南も県北も北上山地もいる。盛岡の町場育ちという人もいる。 そういう人たち相手に、「エ、左に見えますのが岩手山でございます」とやる わけにはいかない。いきなり安比のアイスクリームと小岩井のアイスクリームでは どっちが美味しいかという話になる。バスガイドさんはそれが仕事だから 県内くまなくまわって宿も知り尽くして食べものも食べ尽くしている。 それから町村の名物や事情に通じている。しかも最新情報を持っている。 そこで驚くような話がつぎつぎに飛び出した。 といっても、以下に連ねる話は興味ない人にはまったく興味ない。 全部、ローカルネタばかりだから、退屈な人は読まなくていいですよ。 ①いま盛岡駅のタクシー運転手さんが困っているのは、新幹線から降りた客に いきなり「加賀美屋に行ってください」と言われることなそうだ。 ②県内には20いくつかの町村があって、そこの町長、村長が年に一度、 集まって一泊のバス旅行をして県内を視察する。 ③その旅行でいまいちばん元気なのは葛MKの町長で、何せ酪農ブランドは 知名度高まって牛乳もチーズも大人気、風力発電を始めとするエネルギー自給 も順調で観光客は年間100万人を軽く超えるようになった。 ④しかし酪農なら近隣のI泉町だってT野畑村だって力を入れている。でも葛MK には敵わないしなにせ町長が威勢がいいから黙るしかない。 ⑤その威勢のいい町長がバス旅行二日目は帰ってしまったから、とたんにI泉町と T野畑村の町長、村長が自慢話を始めた。 ⑥しかしI泉町の町長に今ひとつ勢いがないのは野球場問題で困っているからで、 なんでもあの町には誰も利用しない野球場があってそれが町長非難の材料。 ⑦「しかしあの野球場建設には町議のころわたしは反対したのに、前の町長が つくってしまった。それをいまになってわたしが非難されるのは悔しい」 ⑧もう一つI泉町の町長には悩みがあって、ここの名水でつくった缶コーヒーが なぜか美味しくない。それはバスガイドさんも認めていることで、 名水を湧かしてインスタントコーヒーをいれてもすごく美味しいのに、 缶コーヒーになるとなぜかまずい。 ⑨その原因を考えたI泉町の町長は「豆が悪い」という結論に達した(爆) だからいま美味しいコーヒー豆をどこから仕入れたらいいのかお知恵を 募集中なのだそうです。 ⑩T野畑の村長さんの悩みはもっと複雑で、この村の住人は漁業と酪農に 分かれる。魚を獲る漁師と乳牛を育てる酪農の人では性格も考え方も ずいぶん違う。勢いが良くて口も達者なのは漁師、自己主張も強いから集まれば 自分たちの要求をどんどん突きつけてくる。が、酪農の人たちは大人しい。 住民の意見をどうすれば公平に汲み取ることができるか村長は悩んでいる。 ⑪琥珀博物館はなかなか見応えがあった。ぼくがびっくりしたのは琥珀と プラスチックの見分け方を説明されたときで、アルコールランプの火に当てると プラスチックは溶け、琥珀は燃える。まあ樹脂の化石だから燃えるのはわかるが、 煙を盛大に出してブスブス燃えるので「もったいない」と思ったら、 バスガイドさんはバスの中でこんな話を教えてくれた。 琥珀産地の年寄りはかつて、野良仕事の虫除けに腰から琥珀をぶら下げて 燃やしたのだそうだ。かなり匂いの強い煙だから虫除けにはなる。しかし 豪勢なもんだな。加工品なら数万から数十万で売ってたぞ。 ほかにも勉強になる話、ヘエー?!と驚く話はたくさん聞いたのだけど、 もうすぐ解散という直前になってバスガイドさんは簡単に自己紹介した。 なんと、下の子の学校のPTAなんだって。 上の子の修学旅行にもガイドをやったって。 ああ、あの「赤い中古車」の怪談話はこのガイドさんだったのか。 地域限定の話を最後までお読みいただいて感謝します。フーッ(笑)
by northend
| 2007-07-09 18:10
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