こういう人間です
盛岡市在住。ライター。
性格偏屈。趣味はないが嫌いなものはない。 20年余りの都会暮らし、 10年余りの山暮らしを 経て現在6年目のニュー タウン暮らし。 いまいるところがいつも いちばん好きなところ。 メールはこちらへどうぞ 以前の記事
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昨日の朝は薄暗いうちに目が覚めた。頭の中がホットミルクで満たされたように 眠り足りた気分だったので、冷たい水で顔を洗いガスに薬缶をかけストーブの 火を起こし部屋の窓を開けて布団を上げ、沸いたお湯をポットに移して 犬を散歩に連れ出し戻って熱いコーヒーを飲んだ。こういうことを切れ目なく 流れるように片付けたときはいい一日になりそうな気がしてくる。 いつもこうとは限らないのだ。目が覚めたときからグズグズしてしまい、 物憂げにコーヒーを飲んでいると「こんなものを飲む気分じゃない」とか 言い出してゴソゴソとウィスキーを引っ張り出しグラスに注いで眺める。 一人の山でたまにぼくは打ちひしがれ溜め息洩らし眺めてもしょうがないと 言い聞かせてバーボンをチビリと啜って朝から黄昏るときもある。 それもまたいいもので、ウダウダと2時間も過ごすとまずたいていの由無しゴトは どこかの床下か屋根裏に消えてしまって「どれ、やるか」という気になる。 なぜ物憂げになり朝からバーボンなんか飲んだりするかというと、 薪ストーブのせいでもある。冬間近のどんよりした朝に雨とも霙ともつかないような ものが降り出すと山の家は暗くなり、冷たい湿り気が立ち込める。 それを追い払うのは薪ストーブしかないのだが、火が起こり炎が揺れ暖かさが 満ちてくると家の中にもぼんやりとした明るさが満ちてくる。そうなるまで 火を見つめ薪をくべ、あちこちいじって調節してなだめすかして面倒見るのだが、 そのときにチビリチビリと飲むのが具合がいいのだ。火は暖かい。酒も体を温める。 2時間もすればこの世には何も問題はないという結論が出て腰が上がる。 そういうスロースタートな朝もたまにはあるという話。 薪ストーブには煙突があってそこから白い煙が出る。 家の外から見て煙突から白い煙が立ち上る様子ほど穏やかなものはない。 かつて梅雨時のころに訪ねてきた友人が、煙突の煙を見ると安心するから 「おれが帰るころにはかならずストーブを焚いてくれ」と言いながら心細そうに 川に下りていったものだった。 煙が上れば家の中には人がいて何かしているのだなとわかる。 もう帰るのだとわかっていても何本か薪をくべた。 白い煙が立ち上っている。 煙が上っている間、この家には誰かがいて何かをしていることになる。 その人は終わらない仕事に気を取り直して向かっているのだろうか。 ときどきチビリチビリと無念のウィスキーを飲んでいるのだろうか。 煙だけを残して午前9時半に山の家を出てニュータウンに向かった。 山の家のそばを流れる谷川にこんなかわいいキノコが出ていた。 ヌメリスギタケ。村ではヤナギモダシという。
by northend
| 2007-10-18 20:27
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