こういう人間です
盛岡市在住。ライター。
性格偏屈。趣味はないが嫌いなものはない。 20年余りの都会暮らし、 10年余りの山暮らしを 経て現在6年目のニュー タウン暮らし。 いまいるところがいつも いちばん好きなところ。 メールはこちらへどうぞ 以前の記事
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午前中に小学校のロードレースがあった。 下の子は9時40分スタート、上の子は11時30分スタート。 仕事の合い間をみて自転車で応援にいく。 自転車で応援に行くと、A地点で「無理すんな」と声をかけて、 タタターっと走ってB地点で待ち構えて「その調子だぞ」と声をかけて、 またタタターっと校門に戻って「そーら、がんばれ」と応援ができる。 病み上がりの下の子は朝、「自信ない」と言ってた。 いつもなら「寝てても勝てる」とか大口叩くんだけど、 自分でも調子悪いのがわかっていたんだろう。 しかし彼は度胸のあるレースをした。 トップでA地点を通過し、トップでB地点にやってきて、 トップで校門に飛び込んだ。 校庭一周のラストスパートは4人の激しいデッドヒートになって、 ゴール前で惜しくも力尽きて2着。立派なもんである。 いったん家に戻って時間を見て上の子の応援。 またしても自転車で3箇所から声をかける。 知っている子は全員、名前を呼んで応援した。 「あ、こんちは」「はーい、がんばる」「ダメエ、調子悪いよオ」 と返事も返ってくる。 なんだ、みんな余裕あるじゃないか。 上の子も楽しそうに走って15位以内という目標達成。 晩ご飯のときは二人ともご機嫌で、レース中のことをあれこれ話してくれる。 「お父さんに何回も声をかけられてビックリした子がたくさんいたよ」 「そうだろ。顔と名前を知っている子はみんな応援したから」 「Aは元気出たって言ってた。Bは走っているときに初めて名前呼ばれて 嬉しかったって言ってた」 「そうだろ、そうだろ」 「でも、Cがしょぼんとしてた。オレには声がかかんなかったって」 その瞬間、スッと酔いが醒めた。 C君はよく知っている子で、山小屋にも泊りがけで遊びにきたことがある。 物静かだけど自分の気持ちをはっきり言う子で、ぼくは好きだ。 もちろん、目の前をC君が走ったらぼくは大きな声で名前を呼んで 応援したはずだ。「いいぞC君、その調子だぞ」って。 軽率だった。 自転車で移動しながら応援すると、大集団が通り過ぎたら次の場所に向かう。 6年生は長い列ができてしまうから、最後の子が過ぎるのを待っていると 次の場所にはもう先頭グループが来てしまう。 だからぼくは、「うん、だいたい行ったな」と思うと自転車を走らせた。 C君はスポーツ苦手で、上の子とは大の仲良しだけどのんびり 話し込むタイプだった。 上の子もすごく話し好きでそういう友だちを大切にしている。 ロードレースでもC君はずっと遅れて走っていたんだ。 ぼくは、C君が来る前につぎの場所に自転車を走らせてしまった。 6年生のレースが始まる前に5年生のレースがあった。 ぼくは学年ごとのスタート時間を見計らって応援に行ったから、 5年生は走り終わってつぎは6年生のスタートだなと思ってた。 でも、とっくに終わったはずの5年生の子が、 一人だけボランティアの人に伴走してもらって走っていた。 足が不自由で、普通の子が急ぎ足で歩くぐらいのスピードしか出せない。 その光景を見たときに、胸の中で「がんばれよ」と応援した。 車道の反対側をゆっくり自転車で走って、その子の応援をした。 なのに、自分の子が走り出したとたんに忘れてしまった。 たくさんの子どもたちが走る。それぞれに思いはある。 レースを応援するなら、 一箇所に留まって最後の一人まで応援するべきではないのか。 ぼくのやったことは、ものすごく傲慢だったんじゃないか。 こんな程度の人間なんだな。 ほんとうに、軽率だったな。
by northend
| 2006-10-12 20:45
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