こういう人間です
盛岡市在住。ライター。
性格偏屈。趣味はないが嫌いなものはない。 20年余りの都会暮らし、 10年余りの山暮らしを 経て現在6年目のニュー タウン暮らし。 いまいるところがいつも いちばん好きなところ。 メールはこちらへどうぞ 以前の記事
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1週間前の暴風で山小屋周辺の木が倒れた。 火災保険の担当者が地域を回ったらしくて、 わが家では裏の作業小屋にハタンキョウが倒れかかっていると連絡。 それで昨日から久しぶりに上の子と二人で山小屋に帰ってみた。 上の子はスポ少が一休みで土日が空いたんだ。 家族で帰る、一人で帰る、子どもたちの友だちも連れて行く、 といったパターンはいつものことだが、 上の子と二人だけで帰るのは初めてだ。 そういえば最近はゆっくり話すこともない。 たまにはいいかなと考えた。簡単に役割だけ決めて、 あとはのんびり過ごそうと。 昼前に着いて、持参のお握りを食べてから、 上の子には敷地の枯れ枝を集めさせた。 ずいぶん太い枝も風で折れて散らばっている。 本人が「やってみたい」というから薪割りもさせた。 最初は危なっかしい腰つきだったけど、 だんだん上手になってきてスパンと割れることあった。 割れると面白いみたいで、しばらく一人で熱中していた。 倒れたハタンキョウも屋根にかぶさっているわけではなかったから、 雪が積もったら根元から切ればいい。 ぼくは入念にストーブの掃除。煙突も全部外してきれいにし、 ストーブ本体のメンテもした。 薪ストーブというのは掃除すると小気味のいい音を立てて 燃えてくれる。吸気と排気がしっかりすると、火力も上がって 耐熱ガラスの煤も全部燃やしてくれる。すると炎が外から見えて なんだかとてもいい感じになる。 着いた日は風が冷たくて気温も上がらなかったから、 明るいうちにストーブを焚いた。 4時過ぎには風呂も沸かして、二人で順番にゆっくり入った。 晩ご飯はナスと豚肉炒め。ゼンマイの煮物。ナメコ汁。 ビールを飲みながら上の子とあれこれ話した。 といってもほとんどは彼が話す。 学校のこと、友だちのこと、夏休みのドッジボール大会やサッカーの こと。来月行く東京のこと。そして下の子の内緒の打ち明け話。 初めて聞く話もずいぶんあって、「へえ」「ほう」「ふーん」と 相槌ばかり打っていた。 そのうち押入れの隅からアルバムを持ち出して、 一枚一枚、「ああだった」「こうだった」と説明してくる。 上の子がまだ2,3歳のころから低学年にかけてのアルバム。 「お父さんもずいぶん若いね」と言ってくれる。 見ればたしかに若い。なんていうか、全体に張りがあって 瑞々しい。いまは緩み、たそがれ、枯れてきたのがよくわかる。 いやなもの見ちゃったな。 夜は山小屋唯一のチャンネルで、『男はつらいよ』を観た。 「一度も観たことない。面白いのか」というから、 「おもしろいよ。おまえ水戸黄門好きだろ。だったら夢中になるよ」 シリーズ34作目の『真実一路』、大原麗子がマドンナ役。 米倉斉加年が良かった。この人は本当にうまい。 大原麗子は何作目だったけか、とらやの店員役で登場したころ可愛くて 見ていて安心したけど、今回はあまりに妖艶というか、色っぽ過ぎる。 さくらの子ども役の満男はもう吉岡秀隆で、上の子に 「ほら。この子、覚えてないか」と聞く。 「うーん、知らない。オレと同じくらいだな」 そこで『北の国から』のルルー ルルルル ルーをハミング。 それでも思い出せない。じれったくなって、と言っても満男が 登場するのはほんの短いカットしかないから映画は進む。 そしたら上の子もすっかり夢中になって最後まで観た。 いつもは9時過ぎに寝ている子が11時近くまで起きていた。 『男はつらいよ』を観ながら、ぼくはつい自分の学生時代の 話をしてしまう。焼酎で酔ってきた。 子は聞いてない。テレビを観ながらときおり「へえー」とか言うだけ。 あとはずっと画面から目を離さなかった。 「これ、いっぱいあるの」「ある。今度、ビデオ借りてくるか」 「全部観たい」「冬休みだな」 いいかもしれないな。 長持ちする楽しみができた。 気のいい上の子は寅さんの心情がわかるらしい。 「男はつらいよ、か」と、観終わってあくびしながらつぶやいた。
by northend
| 2006-10-15 22:07
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