こういう人間です
盛岡市在住。ライター。
性格偏屈。趣味はないが嫌いなものはない。 20年余りの都会暮らし、 10年余りの山暮らしを 経て現在6年目のニュー タウン暮らし。 いまいるところがいつも いちばん好きなところ。 メールはこちらへどうぞ 以前の記事
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三日から二晩で山の家に帰ってきた。 子どもたちと愛犬も一緒。つまり野郎ばっかし。 かみさんは年末から実家の往復もあって疲れていたからニュータウンで 骨休めしてもらう。「のだめ」がゆっくり観れると喜んでいた。 長男が暮れの30日に突然、「甘酒が飲みたい」と言い出した。 「お正月につくってやるよ」とかみさんが言っても「いま飲みたいんだ」と スーパーで缶入りの甘酒を何本も買い込んだ。 「そんなもの、甘くて不味いんだから神社の甘酒まで我慢しろ」とぼくは言う。 山の家の神社は初詣の客にストーブで温めている甘酒を振る舞うのだが、 毎年、長男にはそれが楽しみだったからお正月の条件反射なんだろうか。 山の家に向かう車の中でも、長男は「ああ、あの甘酒が飲めるのか」と ウットリしていた。 ところが三日の神社は初詣の客もいなくて、拝殿には御札売りの巫女さんが 一人ポツンといるだけ。甘酒も置いてない。長男はガックリしていた。 それでも二泊三日の山の家で、雪掻き、ソリ遊び、雪合戦と兄弟で他愛もなく 遊んでいて、甘酒のことは忘れたように見えた。 帰る日に、古い御札を社務所に置いていこうとしたら、 「おやまあ、久しぶりだ、上がっていけ」と言われて、 「もう帰るんだ。一昨日来たけど甘酒なくて△が残念がっていた」と うっかり口滑らせたから大変。 「甘酒なら大鍋につくってある。△ちゃん、すぐに温めるから待ってろ」 と言われて、長男は目を輝かせて社務所の土間に座り込んだ。 待つこと数分、薪ストーブの大鍋で甘酒がたちまちフツフツいいだす。 茶碗を出され、お玉を出され、長男は自分ですくって最初の一杯を一息に 飲んでしまった。 目がうるんでいる。「ああ、美味しい」と溜め息。 それから立て続けに4杯も飲んだ。次男もコクコクと飲んで、 なんだか二人とも頬っぺたが赤くなっている。 社務所で相手をしてくれたのは宮司さんのご両親だが、 子どもたちはほんとに小さなころからなついていた。「じっこ、じっこ」と 自分の御爺ちゃんのように甘えていた。 その「じっこ」が、ぼくに空いた茶碗を出して「甘くないのを一杯どうだ」と笑う。 「帰るところなんだ」と答えたけど、ふと、 「親子して酔っ払って、なんならもう一泊すればいいか」と思った。 一瞬の誘惑だったけど、甘酒より甘い誘惑だったな(笑) 帰りがけに大きな袋詰めの酒粕まで戴いた。 車の中で、長男はその酒粕を大事そうに抱き締めていた。 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。 今年は幾多の誘惑に惑わされないように、精進しなくちゃ。 とりあえず、最初の関門は越えたということで安心しました。 (2008年1月4日朝の風景)
by northend
| 2008-01-06 22:33
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