こういう人間です
盛岡市在住。ライター。
性格偏屈。趣味はないが嫌いなものはない。 20年余りの都会暮らし、 10年余りの山暮らしを 経て現在6年目のニュー タウン暮らし。 いまいるところがいつも いちばん好きなところ。 メールはこちらへどうぞ 以前の記事
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最近、反省ばかりしている。 いまごろになって、どうもオレは雑な人間のようだと気がついたからだ。 自分で思っている以上に、わがままでもあるようだ。ハンセーイ! というわけで、週末はせっせと子どもたちと付き合って過ごした。 土曜日の夜はテレビの映画を11時40分まで。 裁判ものだから下の子なんか話についていけなくて途中で寝るだろうと 思っていたら最後まで観続けた。上の子は眠かったみたいだけど、 弟が寝ないから兄としてのプライドで起きていたみたいだ。 とても面白い映画で、脇役にとんでもない役者がヒョイヒョイと顔を出す。 おかげでその夜は2時過ぎの就寝で、おまけに夢の中で裁判が始まった。 ぼくがどんなに無実を言い立てても、小さな子どもの舌を洗濯バサミで 挟むのは大罪なんだそうで、「再犯の恐れがあるから極刑に処す」。 なんの暗示だろう? 昨日は上の子がテニスの練習だというから昼に車で送る。 近所ならいったん帰ってまた迎えに行くが今日は少し遠い。 そこで下の子も一緒に連れて行って、練習が終わるまで久しぶりに温泉。 松川温泉のいちばんの奥の宿に行ってきた。 さすが八幡平の懐深くで、道路の両脇は雪の壁だから何も見えない。 宿に下りる道も狭くなっていて、 夏道は記憶にあったが初めての場所に行くような気がした。 次男と二人で温泉は久しぶりだ。 この数日、ちょっと鼻風邪で冷えるとすぐに寒気がするので露天は勘弁。 温泉好きで露天好きの次男も内湯でゆっくりしたが、 正面の大きな窓から見えるのは雪の山だけ。それもすぐに迫っているから 露天と気分は変わらない。ブナの巨木が一本、幹の分岐に雪の塊を 乗せていた。 子どもって不思議だな。 感受性ということばを使えば、大人よりはるかに研ぎ澄まされたものがある。 そのことはずっとわかっていたつもりだったが、 いつの間にか、批評眼ができている。 そんなもの、どうせ未熟で当てずっぽうと思っていたが、 今日は次男にじわじわと効いてくることばを投げかけられた。 「お父さん、オレはポンとボールを上げられるようになったよ」 シュート命だったサッカー少年が、アシストの楽しさを知ったのだそうだ。 「いつも、見える範囲にボールを待ってる人がいるんだよ」 おやじは自分の未熟さを見透かされたような気がした。わかったよ。 このところ、キミのアシストを忘れていた。 まだ4年生だった。放っておかれても戸惑うことの多い年ごろだった。 長男が中学に入ってから、ぼくは以前ほど子どもにかまわなくなった。 「もうこいつは友だち世界にいるからなあ」と思っていた。 それで、もともと大人びていた次男のことまで放っておくようになった。 それが大きな間違いだったと最近になって気づかされた。 ある小さなきっかけがあったのだ。 たっぷりお湯に浸かって、宿のロビーで次男とアイスクリームを食べた。 小岩井のバニラアイスは美味しい。 売店で松川温泉饅頭を買う。一個百円だけど大きめで美味しそうだ。 5個買って、一個は練習が終わってお腹をすかしている長男用だぞと言う。 残りの4個は家に帰ってみんなで食べよう。 それからミルク飴も買った。次男が熱望したのだ。味が濃くて大好きだという。 『特濃ミルク8・2』という飴だ。 「お父さんはまるでおばちゃんになったな」とぼくは呟く。 「なんだ、それ」 「おばちゃん族は飴を買うの好きなんだよ」 「この飴はいままで年に一個しか食べられなかった。学校のスキー教室の ときに、おやつで飴が一人に四個出て、一個がこの飴で、オレはこの世で いちばん好きな飴なんだ」 「いくらでも食え。一袋、食え」 長男のテニス練習は4時までだったが、ゆっくり温泉に浸かっても まだ2時半。そしたら次男は温泉はもういいから練習を見たいと言い出した。 雪の回廊を通って下界に戻る。 このあたりから眺める岩手山は、左の稜線だけがなめらかで、 あとはギザギザの険悪な形相になる。それを「クワガタ」と次男は言う。 「スキー教室のとき、山の上に大きなクワガタがいるってみんなで言い合った。 あれは岩手山の裏側だったんだなあ。あんなとこ、歩いてみたい」 「夏に行くか。おまえなら登れるよ」 大きな体育館の人工芝のコートで、長男は試合形式の練習をしていた。 2階のランニングコースから、次男はずっと観ていた。 目の前にあるものすべて、何一つ見逃さないような次男の視線に、 お父さんは背筋が伸びてしまった。 子どもがいちばん成長する時期を、父親は危うく見逃すところだった。 次男が好きだというミルク飴は、食べてみたら本当に美味しくてビックリした。
by northend
| 2008-03-03 21:47
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